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午後の最後の芝生

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安西水丸さんと村上春樹さん2人のお仕事の中ではこの本が1番好き。もっと言うと数多くある村上春樹さんの中で僕はこれが1番お気に入りだと思う。ある日、図書館で何度も読んだことあるこの本を手に取って、全く同じ絵と同じ文章なのにまた好きになって。挿絵があるかないかで物語の見え方てだいぶ変わると思うんですよ。どこに向かっているか最低限背中を押すことが挿絵のお仕事だと思っていて、この本の水丸さんはもう素晴らしいの一言だと思うよ。村上春樹さんの本に出てくるいつも退屈そうな主人公を見て、そして、その退屈そうな主人公が心中で何か灯火があることを感じて「これは僕と同じことなんだ」と強く勝手に思ってる。良い本は手に取るべき。多分読み物を超えてお守りのようなエネルギーを感じるよう。これは彼女と別れたある男の、稼ぐ意味を失ったけどやることも見つからない最後のアルバイトお話さ。

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