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ティエリー・ノアールの瞬間
¥13,850
世界で最も分断の象徴とされたベルリンの壁を彼は大きなキャンバスに変えた。そのアーティストの名はティエリー・ノアール。 まだ日本ではあまり知られてないこの人のたった唯一一つの作品集にして彼のキャリアの原点です。 ドイツ中の人が威圧感と閉鎖感を感じたあの壁にこれだけ豊かで自由な絵を描いた、これまでの歴史を上書きすることを始めた偉大なるアーティストです。 僕はある日ドイツにいた。 その時は自分が思っていた仕事にやっとつけた。 それはモデルだったんだけれども、いざ自分の思うようにいくとそれはイメージとは違ったストレスばかりで僕はうんざりしていたと思う。僕はその時ドイツに住んでいて気晴らしに散歩をした時にベルリンの壁にある彼の絵を見た。 申し訳ないけどその時は有名なアーティストだとも思わず、ヘンテコな絵だと思ったけど僕はその時心が穏やかになったのを今でも覚えている。 そして僕は帰国してから「あの無名かもしれないアーティストは誰なんだろう」と思っていたらSNSで彼を偶然見つけて感動してしまった。 そうだ、彼はティエリー・ノアールだ。
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Alex Katz / Prints1947–2023
¥24,580
僕が実際にパリで見てこれまで最も感動したペインターと言っても過言じゃないと思います。 自分の奥さんとかのポートレートを大量に描いているんですけど、僕が見たのも女性の絵画でそれをパッと見た瞬間「女性を経験できない自分も悔しいものだな」と憧れのようなものとこれから社会に活気をもたらす可能性をすごく感じました。 この作品集はそのアレックス・カッツの長いキャリアの絵をなるべく集めた超大型作品集です。 確かカッツさんが大きく注目されるようになったのは60歳とかかなり歳をいってからだとかなんだとか聞きましたがそれだけ巧みな領域にいってます。 風景画とポートレートが主なスタイルで鮮やかな色味で描く華やかで素敵な目線で世の中を彩ってくれる素晴らしいアーティストです。
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ARTE AFFICHES 1964-1971
¥7,850
パリ・ダゲール通りにあるARTE-Adrien Maeght印刷所で制作されたポスターを集めた作品集。アーティストじゃなくて「とある会社が作ってきたアートワーク」を作品にしてるのが、その職場のやりがいと誇りを感じれてとっても素敵。 もちろん扱っているアーティストのネームもグラフィックデザインもとっても良いものばかりですね。 アート作品をさらにポスターにしているので二重に学習できるところが他のものとは違うかな。 見る者の一歩先にあるアート作品をみんなに魅力的に伝わるようにデザインされた秀逸な作品たち。
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カミュ 異邦人
¥650
連絡を取ってない父の危篤を聞き、そこから連絡する手段も僕は消した。 僕はどうも思わなかった。 厳密にいうと何かは思ったけれども世の中が求めているような感情は湧いてこなかった。 その気持ちを人に話した時僕はかつて読んだこの本を思い出してまた読むことにした。 共感を探す旅として本を選んだわけでもなく、ただ今の自分の気持ちで思い出せた本がこれだった。 内容の感想は今分からない。 それはまた僕がこの先の時間に湧いてくるものだと思った。 ただ、僕は今読んだこの本の体験はずっと忘れないだろう。
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和田誠 肖像画集 PEOPLE 1&2
¥7,800
※箱カバー欠 和田誠さんはあまりにもやった仕事が膨大すぎていくらでもパートごとに分けれると思う。 この二つの本は肖像画だけにスポットを当てた。 自画像をイラストにする時大体の人は特徴を見つけて書くと思う。それはある意味「誇張」という名の編集なんだけど、この人の作品からは何故かその要素を感じない。 和田誠の中にこの世のあらゆる人の要素が入っていてガチャガチャのようにコインを入れたら自然とポンポン出てきているような雰囲気がある。 その人の特徴を掴むというより、その人が和田さんにインプットされてしまえばそのまんま和田誠ワールドになって帰ってくるような。 彼の世界観にみんなが浸っているような絵たち。 書いてもらった人も心地よい。
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(チラシ付)大橋歩 わたしの時代 1962-2009
¥5,850
大橋さんが三重県出身だったこともあり、三重で行われた展示会の図録で、多分巡回はしてないので貴重な思い出深い作品集。 平凡パンチでお馴染み大橋歩さんの絵が見れる他、クライアントワークではない絵も他のお仕事も色んな絵をジャンプしていって楽しめます。 イメージがどうしても平凡パンチに引っ張られそうですが違った絵もぜひ見て欲しいと伝えたくなる知って欲しい絵がたくさん。 自分の生まれた故郷で展示会をやるなんて一個成功の証みたいなところありますよね。
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The Art of Peter Max
¥13,650
サイケデリック・ブームの象徴的アーティストと言えばこのアーティスト ピーター・マックスさんです。 僕は多分ビートルズのアルバムジャケットをこの人だと勘違いして覚えてたんだと思う。 このアメリカンカルチャーを持ってでしか生み出せないような色合い、絶対に美味しくないグミのような色彩感覚が彼の絵になると自由を感じさせる、思考が四方八方に飛び交うような絵ですよね。 ここまでアメリカンなタッチになると日本のワイツーケーカルチャーに近いというか知らない近い昔を感じさせるものがありますね。 知ってるけど知らない世界て感じ。 まさにサブカルチャー。
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(初版)Book Covers in Wadaland 和田誠 装丁集
¥4,750
「あなたの本棚には何冊ありますか?」ていう帯のコメントがなかなか良いですよね。 和田さんのやってきた凄さを1行でまとめたような言葉ですよね。 そうなんです。好き嫌い問わずいつのまにか和田さんの絵はみんなの家の中にいるんです。僕もそうでした。 なんとなく良いなと思った表紙を手に取ってその内容もすごく面白かった。それが星新一さんでしたね。「星新一さんの人」が僕の最初の和田さんの呼び方でした。 それからこれも和田さんあれも和田さんとなっていき、次第に和田誠さんを追っていくようになりましたね。 知らぬ間に和田さんを入り口に本をかじるように読んでいった人は日本に少なくはないと思うなぁ。 良い表紙があってこそ、みんなが素晴らしい物語に辿り着きますから。
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(ポストカード付)柳原良平 Ryohei Yanagihara
¥6,580
SOLD OUT
「ウィスキーが…お好きでしょ〜♬」「それな〜ら知ってるでしょ?」ということで、トリスウィスキーでお馴染みのIllustrator/作家・柳原良平さんの作品集です。 いやー、吉高由里子のあのCM気持ちよかったなぁ。「そういえばあのキャラクター手がけたアーティストは誰だ?」ということで調べた後、出会うことができました。 何となく花井祐介さんの絵なんかも僕は同じようなイメージで出てくるんですよ。 あの特徴的な顔がズドンとある表紙も愛おしくて、二頭身のおじさんに愛嬌を感じるなんて、そうそうないですから。 才能でしょう。間違いなく。
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ダン アリエリー 予想どおりに不合理
¥780
僕が見てきた本の中でここまで悪趣味で挑発的なタイトルはないなと思う。 なぜならこの作者は人がどうしたら自分をコントロールできなくなるかの研究を日々しているから。 自分の意思であるはずの自制がなぜ僕たちはここまで働かないのか。それはもしかしてここに書いてある学問を逆手に取ったようなサービスがこの世に数多くあるからかもしれない。 まずは認識と興味を持ってこの本を読んで、それを分かった上でうまく行かない周りの人たちと愛くるしく関係性を築けたら良いことだなと思う。
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Independent Cinema Posters 時代を挑発した映画作家15人のデザインワーク
¥3,750
今でも映画の主戦場はハリウッドー このような文章が今年出た本に書いていたが、昨今のNetflix買収のニュースでそれも違ってくる。 あっという間に時代が変わっていく、それはさらに早くなる。 映画はどうなる? 今昔の名作がデジタルリマスターされてるのをよく見る。 それはもしかしたら映画を動画に変える作業なのかも知れない。 過去のものは過去のまま見たほうが、もしかしたら何か僕たちに訴えかけれるものがあるのかもしれないと思う瞬間と、今の映画には何かないのかと疑問が湧く。 ここに載る映画は今何を語る。
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ロベール・ブレッソン シネマトグラフ覚書 映画監督のノ-ト
¥2,040
SOLD OUT
フランスの映画監督の巨匠ロベール・ブレッソンによるメモ作品集。 これを読むと彼がいかにクリエイティブという造り物の世界におけるリアリティを求めてるのかが分かる。 一貫してその志を貫いてる。 そういう意味でも装飾された文よりも走り書きのようなメモの方が彼にとっても僕たちにとっても価値がある。 大切なのはメモの内容を理解することよりも彼が物作りに抱く熱量とロマンを自分の体に伝染さすことだと僕は感じる。
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BLOW UP 田名網敬一
¥6,850
まだ田名網敬一さんがグラフィックデザイナーだった頃の作品を集めた作品集です。 当時はその業界が盛り上がっていた頃で横尾さんや宇野さんなど、企業からの案件に自分の思いを収められないアヴァンギャルドな人たちがドンドンはみ出てアーティストになって行った時代ですね。 サイケデリックな色味の作品は他の人でもたくさんあるけど「田名網さんのだ!」とわかるような色味ですよね。 これ以降、後の田名網さんの作品を見るとかつての雰囲気を残しつつも大いに紙の上で表現して行っている感じが良いですよね。
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広告批評の別冊 糸井重里全仕事
¥4,520
規模感は違えど文章で何か売る仕事をやっている以上「この人から学ばないと何も始まらないよ」という感じで手に取ってみた。 情報のメインストリームだった頃なので今とは全く違うアプローチだなと思う。 今だったら短い間にどれだけドーパミンを刺激するのかが一般的なのかもしれないけど、誌面だと「おや?」と思わす空間を作ることが大切だから心地の良い違和感というか、あえて間を提供して物語を湧き出させる手助けをしてる感覚があると思う。 「この商品は〜」ではなく、これを身につける人から取ったとある場面みたいな感じでどんな物体一つとっても「過去・現在・未来」の全てが存在している気がするね。 この時代から比べるとより広告自体が消費される世界になったんだなと思う。 今世の中を的確に表してる存在はどこにいるのか? それを考えてみたいと思ったね。
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ジャン=フィリップ・デローム La Chose littéraire
¥2,560
イラストとは相反して文学界や業界人を彼の絵で鮮やかに描きながら文章で皮肉っているジャン=フィリップさんの作品集。 個人的な感想だとイラストでも完璧に描くよりも描き方や塗り方に癖や流れを感じやすいと何度見てもより楽しめる絵だなと思うんですよ。 この人の場合、原画がより見たくなるような、生き物のように流れる色の塗り方をしてるので描いているところから見たくなる素敵なイラストだと思う。 僕達のヨーロッパ憧れみたいなのが全て詰まっIllustratorだなぁと毎回思います。 血管にもうお洒落な感覚が巡っているような絵だよね。
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MANZI VIVRE IN DUE
¥5,450
“新聞のイラストレーションでキャリアをスタートした後、広告の分野に進出し、1950年代からイタリア国内外で衣装デザインや絵画に関する数々の賞を受賞した作家リカルド・マンツィ。” 僕はこれまで知らなかったので今回はじめて出会うことができたアーティストさんです。 「線」というよりか、「筆」というよりか、「ペン」「ペンの細い方」みたいなイメージがカツンと入ってくる絵だなと思いました。 ラフ画のような感じで可愛い人物像をたくさん描いていってる作品集で人を描いたイラストや絵が好きな僕からしたら楽しい本だった。 僕のイメージだと古いイラストレーターさんだと白黒でプリントされる前提で書いているので滲んだような手法でより味を出してくるところがその年代の作品を見てより楽しめるところかなと思う。 白黒映画と白黒の刷物も無くなってしまうには惜しいぐらい味わい深いものだよね。
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GERHARD RICHTER FORTY YEARS OF PAINTING
¥12,540
ゲルハルト・リヒターといえば僕がまだ社会人に出てまもない頃彼のドキュメンタリーを見て感銘を受けた。 そこには写真のようにしか見えない程に繊細な絵を描ける彼が具体的にできない自分の深い深層意識の中にある感覚を引き出してキャンバスの上に乗せていくプロセスが垣間見えた。 その映像を見ながら自分の目であの大きな抽象画を見た時鳥肌が立つぐらい感動した。 この作品集は彼のキャリアの中で作られたマスターピースを集めた豪華な作品集。 作品数が多すぎて選びきれないんだけど、まだまだ作れるだけ作り続けて欲しい。
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平凡パンチ 大橋歩表紙集
¥8,640
平凡パンチがメンズ向けのカルチャー誌という事と本人のイラストと名前も相まって何故か男性だと勝手に勘違いしてたんですけど女性だったんですね。 このクレパスで色を塗った粗のある特徴的な描き方が僕の好みに刺さります。 当たり前なんですけどこの人とても絵がうまくて時代に応じて絵のタッチとスタイルを世の中にアジャストしていってる気がする。 最初イラストレーターになりたくて絵を見てもらうために受付嬢に「絵を見てもらうまで帰らない」と言い、それを機にキャリアが走り出したんだそうです。 気持ちが入った毎回ページを止めてしまうイラストだなと思います。 全ての時代彼女の携わった全ての表紙を見ていける素晴らしい作品集です。
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久里洋二作品集
¥4,850
僕が本当に大好きなアーティストの1人で数え切れないぐらい多彩な表現を持ってると思う。 この作品集だと左手に短い文章が書いてあってね。 それがもう本当に最高なんだよね。 「もっと意識は自由に飛ばして良いんだ!!」と思えるような、久里さんの頭の中で出たくて仕方がないようにドンドンと頭痛を起こして無理やり絵へと出てきた絵たち。 脳みそを捻って出た水を浴びるような素晴らしい作品たち。
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ART VIVANT 1986年 29号 特集=ゲオルク・グロッス
¥1,450
この人の作品はイタリアかパリで見て良いなと思った。 それが明白に記憶できてないあたりで「また海外行こうかな」とか思えるんだね。 戦時中にも関わらず止まることなく創作し続けたアーティストは本当に尊敬できる。 当時感じていた社会にある歪み、ブルジョワとの溝が不協和音となって彼の漫画的スタイルに変わって飛び出す。 未来から見て今僕たちみたいな現代人の気持ちをどこで探って結論づけると思うのかを僕は最近気にしている。 やはりそれはアートな気がするのは僕だけなのかな。
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アリエリー教授の「行動経済学」入門 お金篇
¥750
お金は誰かが作った。 それは僕たちが何も分からないものにも数字を乗せることができる魔法のコイン。 「じゃあ僕たちはその何も分からないものをどうやって納得して生きてきたの?」 この本はそんな質問に答える。 僕たちはお金以前に本能的に受け入れてしまう何か作用があって、まずそこを刺激されてから物を買う。 自制は感覚では育たない。 知識が自分を育てる。
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タイムトンネルシリーズVol.6 和田誠
¥920
作家さんのデビュー当時の作品を展示する企画展で販売されていた書籍の復刻版です。 和田さんのインタビューが載っていて、なんかその答え方が僕には刺さるんですよね。 行かなかった授業、褒められなかった仕事、その中でも影響しあって出会い関係を築き上げていく仲間。 大切なことを一つ学んだ。 それは反骨精神や違和感が新たな技法を産むということ。 そのアクションを起こすにはまだ行き場のない力をどこかに流す才能が必要。 才能は集まる。 馴染めない心は新たな力へと変わる。
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Tomi Ungerer Poster
¥5,420
僕が大好きなフランス出身の偉大なアーティスト トミー・ウンゲラーさんのポスター作品だけを集めた作品集。 数多くの絵本を手掛けていて作品の多くはとっても可愛いものの印象があるかもしれないが初期の頃は縁の引き方や描く絵がかなり攻撃的でアヴァンギャルドだ。 ポスターとなるとその時の雰囲気をだいぶ表現の中に残していて、「伝えないといけないことは伝える」といった感じで大衆と現実問題の間を刺しに行くようなメッセージ性が見て取れると思った。 子供に優しく大人には厳しく。 現実は現実といった感じでね。
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ジャズ・グラフィックス デヴィッド・ストーン・マーチンの世界
¥22,560
SOLD OUT
ジャズをジャズじゃない角度から入る窓口を作ってるという意味で本当にこのイラストレーターのやってのけた功績は大きいんじゃないですか。 現に僕はデヴィッドさんの絵が大好きで聴き始めましたから。このベンシャーンのイズムを継いだようなスタイルがジャズの世界にも降り立った感じがして大変気持ち良い。これは模倣の域を超えてオリジナル、意志を継いだような作品たちですね。 村上春樹さんが2、3年前にこのIllustratorを紹介して、この本に辿り着き、一度ジャズを聞いてみました。 この心地の良い良質なバトン渡しが各々商品としてこの世に生まれて残った限り完全にジャズが消え去る可能性はゼロになったと言っても良いんじゃないですか。 なんかそう考えると良い作品が良い作品を生み、良い作品を生んだ源に還元されるみたいな循環があるんですね。後世に繋ぐ、影響を受ける。 この現象をまさに身に染みて体現させてくれた貴重な作品集です。
