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奈良美智 NARA
¥6,120
日本で散々評価されているとしても「まだまだ評価されてない」「もっと評価されて欲しい」と思う人って僕たちの知ってけど知らないところに沢山いると思うんですよ。奈良美智さんもその中の1人です。相手から恩恵を受けたら次は自分を育てないとさらに相手を再評価するのは難しいのかも知れないですよね。僕は色んな国に飛んでどこでも奈良さんの作品集が置いてあるの見てきましたから、その時にもっと日本人として誇るべき人だと確信するわけです。それは自分の好みを超えた自分が日本人だというアイデンティティになるわけですね。この作品集もロサンゼルスの展示会で行われた時の作品集ですからもしかしたら見慣れていない僕たちよりよっぽど彼らの方が凄みを感じているかもしれませんね。本のデザインと奈良さんの絵の風味がマッチしてて僕は好きなんですけど、海外出版でも日本のアーティストが見れるのは間違いなく幸せなことです。ありがとう奈良さん!!
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(サイン入)井口弘史/HIROSHI IGUCHI CULT JAM
¥5,960
グラフィックデザイナーである井口弘史さんの500部限定の作品集です。ビームスから出版されているんですけどあえて価値を消耗させないように小規模で作られた本のようで井口さんの今後の仕事ぶりでこの本自体が育っていくような楽しみがいのある作品集だと思いました。表紙がヨーダをオマージュしてるようにNIGOさんもそうですけど日本の国際的な文化の広がりとしてまずアメリカからバンバン輸入してきたものに触れたのが結構日本の文化を変えたんじゃないかと思ったりします。裏原だったりアメカジやビンテージ文化がまずUSAから来てますよね。井口さんのグラフィックデザインもアメリカのスタイルを自分に展開さしたような大胆で目にパチっと入るデザインばかりだと思いました。これは余談なんですけど、僕の知っている億り人のおじさんで当時その流れをくんでヨーロッパのビンテージを仕入れて発展していった人がいました。完全に余談です。
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デヴィット・リンチ 鬼才が放つ1stソロ・アルバム
¥1,980
あえて雑誌のタイトルでもない下の目次みたいなコピーをこの本のタイトルにしました。ある意味この表紙が全てです。開かなくても欲しい人がいて、食べなくてもお腹いっぱいになった人は僕以外にもいるはずです。映画監督として表紙を飾った誌面は山のようにあると思いますが、音楽家として表紙を飾った雑誌だとまだ限られてると思う。その角度からできたこの表紙も素晴らしい、中身にはやはりリンチ節と言わざるを得ない内容の会話がありましたね。360度どの角度から見てもリンチはリンチであり続けてくれるところがさらに愛着を湧かせるね。制作スタッフが「彼は同じことをまたやって興奮する人ではない、レトロでも新しいものを足して作らないと彼は刺激的だと思わない」て書いてありましたが…良いチームですね。
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Andreas Gursky/アンドレアス・グルスキー
¥10,780
SOLD OUT
※ハードカバー版 かつて写真家の中で最も高く写真を売った歴史的人物だと聞きました。彼の写真を見るとものすごい自然な風景なんだけど、どこか不自然さも混ざっているような気配を感じますね。デジタル加工を何回も精密にしているらしいです。写真家の友達にこの人のどこが凄いのか尋ねてみたら「とにかく作品がクソデケェ!!」て教えてくれました。人の作品の長所を聞いて「クソデケェ!!!」てなんか気持ちのいい満点の答えですよね。「とにかく」ていうのが見た時の感動が伝わって良いですね。写真て現実を撮ってるのにも関わらず第三者の目として保存できるのでより現実を客観視できるみたいな要素はあると思ってて、その客観視できたはずの視点を現実に感じるほど大きくプリントされると何か不思議の世界になりそうですよね。どっちの世界の目線に今いるのか変な錯覚が起きそうで僕もぜひ見てみたい。
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和田誠 Coloring in Wadaland
¥8,250
みんな大好き和田誠さんの作品集なんですけど、これだけ作品も作品をまとめた本も多いアーティストとなるとそれこそまさに「どの着眼点を持つのか」という編集者の勝負になってきますから腕の見せ所。この編集者の目の付け所だと「カラー作品なのか白黒なのか」という切り口でそれもなかなか良いテーマだなと思います。白黒と違って色はさらにイメージの方向性を決めるものですからあるとないとでは大きな差があって和田さんのカラーについてのお話も載っていてこれは貴重だと思う。青といってもみんなイメージする青とは違うんですよね。絵を見るとそれが如実に現れるというか。和田誠さんだとわかる色味があるんですよね。それがとっても素敵でイラストとカラーの親和性を探る大切な一冊だと思う。
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The New Yorker 1925-1989
¥11,450
アメリカの雑誌「ニューヨーカー」の表紙を飾った作品を半世紀以上に渡って集めたとっても内容の濃い作品集です。この雑誌といえば挙げ出したらもうキリがないぐらい有名なIllustratorさんばかりで、そう思うと毎号毎号誰かの夢なのか重要な通過点なのか、とにかくその人の中ではかなりエモーショナルな感覚になれる作品ばかりなんだろうなと想像できますよね。(ソール・スタインバーグ ジャン=ミシェル・フォロン ジャン=ジャック・サンペ etc)特にこの時代だと紙媒体の重要性は今とは比べ物にならないですからそこに自分の絵が表紙で載るとなると大一番の仕事。アメリカ全土に生き物のように血を通わせたイラストが大集合ということでこれはイラスト好きなら絶対目を通しとかないといけない最高のどんぶり本でしょうな。
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Dick Bruna all about his work ディック・ブルーナ展
¥1,150
SOLD OUT
この前都内で電車に乗った時、恐らくその電車の一角の車両がブルーナさんとコラボした企画だったのか彼のデザインで溢れていました。僕は周りを忘れてグングンとその場に向かって歩いて行きました。電車というなぜかマイナスなイメージが多いあの箱の中にブルーナさんのイラストがあるだけでまた違った場所に思えるぐらい良かったですね。この人が描く楕円の感性はなんというか、楕円は愛おしさの源なんじゃないかと思うぐらい心惹かれる線をスタイルとして持ってる。そんな彼でもこの作品集を見ると最初の方はやはり自分のスタイルを探してる。もしかしたらもっと難しい絵もたくさん書いたかもしれない。その中で見つけたスタイルでこれだけ長く続け進化し続けるというのはすごい偉業ですよ。いつかオランダに行ってみたいなぁ。
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100%ORANGE ILLUSTRATION WORK
¥2,450
和田誠さんと同じでヒャクオレさんは知らない間に好きになってしまっている、その事実に気づくと悔し〜い気持ちになる僕らのライフスタイルに紐付いた素敵なアーティストですね。サヴィニャックのような色使いや筆使いもあったりと僕がこれまで好きなアーティストともかなり親和性があるんですけどヒャクオレさんに影響受けたんだろうなというような作品もたくさん見ますよね。本好きの僕からしたら1番は新潮文庫にあるパンダさんのキャラクターでその可愛い帯に釣られて名著から数冊ポンポーンと手に取ってしまった記憶が。僕は映画の「さよなら子供たち」のリバイバル時のポスターアートも印象的で、あれは絵と内容含め名作だからぜひ見て欲しい。ポストカードから始まって社名みたいなのをつけるために100%ORANGEと名付けたそうで。しばらくするまで夫婦でやってるとは知らなかったよ。これからも日本の出会いを頼むよ夫妻。
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Peter Max Paints America
¥14,870
サイケデリックな作風を世界に広めた巨匠といえばピーター・マックスさんだと勝手に思ってるんですけど、いや、勘違いだったとしてもこの強烈な世界観を確立した先駆者であることは間違い無いと思います。この作品集では彼がアメリカをテーマにコラージュや絵画やドローイングなど多くの手法を駆使した作品を眺めれます。この人はTHE•USAのアーティストだなと一目でわかるド派手な色使いなんですけど、この作品集を眺めるとむしろその手法からは離れたシックでシンプルなデザインの絵が多くあってそれでも彼の作品だと一目でわかって違った風合いがあってとっても見ていて心地いいです。全体を薄ピンクにトーンを変えたようなコラージュもたくさん見れて「これはコラージュだけの作品集もぜひ!」と思ってしまいましたね。
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Barry McGee Things are getting better
¥23,480
サンフランシスコ出身でグラフィティーアートでアメリカのヒーロー的存在といえばこの人僕も大好きバリー・マギーさんです。デザインもたまんないんですけど壁に大きく絵を描くと言う自由を感じる行動に猛進してるところがとっても素敵ですよね。随所に見られる写真は誰が撮ったんだろうか。ストリートアートは社会に対する反逆行為なのでその人たちの温度感と生き方が伝わる写真があった方が絶対いい、本人もそれを必ず意識していると思うのでこの作品集の作りになってると思う。「僕の絵以上に僕が絵で得てきたものを見てくれ!!」てなもんで作品以上に自由でスピード感のある解放感みたいなのが見て取れる。僕が学校に行かず友達と王将でご飯を食べていた時なぜか自由と解放感、自分の将来に明るさみたいなことを感じたんだけどそのテンションでこの人たちは日々アートに勤しんでそう。そらもちろんこの人たちにも悩みはあるけどな!!
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Raymond Pettibon
¥7,780
SOLD OUT
レイモンド・ペティボンさんの展示会にまだ行ったことがないので展示風景が載っていたらさらに彼の魅力が伝わるんだなとこの作品集を見て思いました。カルチャー系が好きならもはや説明不要なアーティストだと思いますが、このマーカーを使ったような荒々しい独特のタッチで描く絵は唯一無二のスタイルだと思います。数多くの名作CDジャケットを手がけたようにかなり脳裏に残るインパクトのある絵を白と黒のツートーンで描けるのはかなり秀でた才能だと思います。真似しようとしても物にできない、なぜか日本からは出てこなさそうなこのエッジの効いた絵は何度見てもお洒落ですね。毎回売れてしまうぐらいホットなファンがいるアーティストで、本を開くたびに「カッコいいなぁ」と唸りながらページをめくってます。いや、みんなそうかな。
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Bob Gill illustration
¥4,120
SOLD OUT
アメリカのイラストレーター、ボブ・ギルのイラストレーション作品集です。日本ではあまり認知度がないかもしれませんがアメリカだと有名です。僕の個人的な意見なんですけどIllustratorだと広告とか人の目に映るところに描くことが多いと思う中で、特に「人」を上手に描く人が特に第一線になるんじゃないかなんて思ったりします。人が人を羨むような魅力を感じるように描ける、リアルよりいいイラストの世界みたいなのが素敵なIllustratorの条件の一つなんじゃないかなと思ったり。世の中をうまく描くことをお仕事にされてるのがイラストレーターですから。ボブ・ギルさんアメリカの歴史に刻まれた偉大なIllustratorです。
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WARHOL ON BASQUIAT
¥7,240
最近ジョナサン・アンダーソンをディレクターに招いて大注目されているDiorの広告にも使われたバスキアのポートレート。この作品集を見るとその魅力を存分に味わえる、なぜカリスマはいつの時代も時代淘汰を受けないのかハッキリとわかりますよね。早く亡くなったからこうなったのか?いや、早く亡くなってしまった人でもバスキアみたいになった人とならなかった人はいるわけで何で分岐したのか、それは生きてる間に世の中を熱狂さした熱量なのかな。日本だと昭和がフューチャーされ続けるように各国ごとに栄光と言われる時代があるとすれば、このウォーホルとバスキアが共に生き、共に作品を作っていった時代は必ず永遠に光を浴びることになるんだろう。ウォーホルが彼を引き受けた理由もわかるような気がします。頭を急に叩かれた感覚になるような絵とチャーミングな彼の人間性に心惹かれたんじゃないかな。黒人カルチャーの文脈ではスーパースターで、そんな垣根を超えていろんな人は今後も幸せにするだろうなぁ。
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STUDIO VOICE 「幻想の80年代」サブカルチャーファイル
¥1,570
これはこれは…今の時代なかなか重宝されそうな雑誌で。これ一冊で色んな人にいい顔出来そうな内容でした。80年代といえば戦後というイメージも薄れ右から左へ思想も流れていく時期なのだろうか、当時様々な前衛的な表現が出てきた。川久保さんもだろう、村上春樹然り、各業界に色んな天才が現れた。この雑誌だと「哲学」ていうジャンルも振り返ってまとめてるから、いや、よく考えたらそら当時流行った思想観念ももちろんカルチャーだから大切なことだよね。アート、文学、写真、メディアなどこれ一冊で今知りたい80年代がたくさん。これを見て思ったのはサブカルでリバイバルが起きてもまだ隠れているサブカルチャーが結構あるんでそんなもの漁り出したらもっと楽しくなりそうなメモが止まらない一冊でした。
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STUDIO VOICE 2007年ベスト・カルチャー・カタログ
¥780
「2007年と聞いて何が思い浮かぶだろう。この対談で言ってたのは小島よしおがまず思い浮かぶと。今リバイバルが流行ってるからこそもう一度日本が蓄積してきたことの価値を再確認してみるべきなんじゃないかと僕は思っています。いつの過去にも価値があると思ってもう一度古い雑誌をのぞいてみるのはものすごく至福のひと時です。カルチャーだからこそAVも映画も文学もイベントも全て特集されているんですよね。当時ニコ動が流行って受け手もクリエイターになったから発信する前の「どこまでやって良いのか」の議論がなくなって介入が難しくなったという話をしていて、それに慣れている現代社会で、僕たちはどうなっていくんだろう。今いるからこそまだ自分を表現しきれていない自分がいて、そう思うとこの人たちはその当時いた自分の時間を批評していてそれはそれで物凄いことだなと思う。僕が思うにカルチャーはリアルを思い起こすものと理想に耽るものの二つに分かれるんじゃないかなって。日本は面白いよ。
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村上龍 コインロッカー・ベイビーズ
¥760
知らぬ間に起きたトラウマ/悲劇が生んだ大きな溝に人生を通して一体何が上手く治るんだろうか。時にその大きな溝にとてつもない力が入るのか、はまたまたそれを経てまた自然と故郷のようにトラウマへと帰っていくのか…お母さんに捨てられてしまった子供の冒険を描く村上龍の代表作、いや、文学界に残る名著ですね。どちらかというとイマジネーションを混ぜた地を張って進むようなストーリーなんだけれどもどこか近未来が舞台になっているかのようなスピード感のあるカオスな世界が電撃のように感覚を司りますね。人のトラウマに対する言葉では表現できない感覚をぐいぐい残酷にまで前に進めていく感じが並大抵の小説ではないなと思う。「共感できるかできないか」なんていう認識の境地を超えて読むものについて来れるか、僕たちがついて行ってみたいと思うのか、そういう圧倒的な物語がまず目の前にあるといった感じでしたね。圧巻ですね。
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The Drawings of Stuart Davis
¥3,960
僕個人的にお気に入りのアーティストでもっともっと知られて欲しいアーティストの1人 スチュアート・デイヴィスさんです!!ジャズをテーマに抽象画を描いていて、僕がジャズが好きだからなのか一枚絵で伝わってくる音楽性に惹かれる。抽象画として何かを簡略化していったときに形を変える幾何学的な形状の気持ちよさはありますよね。ハングルとかロシアの文字を見て感じる気持ちよさにも通ずる気がする。柔らかくもパキッとしたポップアートの先駆けのような色使いとリキテンシュタインも参考にしたんじゃないかと思わせる簡略化に加えて心躍るデザインが本当に楽しい。一回だけ大きな絵画を見たことがあってグループ展だったと思うんだけどその絵が1番印象的で足を止めたのを覚えてます。またこうやって本として思い出せる財産に残せるのは幸せだな。
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美術手帖 総力特集 村上隆「死ぬまで芸術やりますか?」
¥240
SOLD OUT
「現在でも通用する考え方が物だけが古くなり、それが安く手に入る」という資本主義的な良いのか悪いのかもわからない流れがあるから僕たちにも何か可能性があるのかなと思うんです。この美術手帖を読んでみたら、「古いから安くなるならもっと読まれるべきじゃないか」と思うぐらい内容が濃かった。死ぬまで芸術をやるんじゃなくて、死んだ後のことを思って芸術をしてるからこそ、生きてる間は徹底して美術に走るのが村上隆さんのスタイルなんだなと誰にでも分かる熱量でいろんな人が彼を語っていますね。組織論とも繋がる、日本人が嫌いなビジネス要素もかなり含んでいて僕にはたまらないテーマだった。プロだったら飯食えてないと、そこで勝負してないと、いやいや、アーティストだったらもっと死んだ後純粋に目覚めさせないと、そんな意思がひしひしと伝わってきましたね。
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Ryan McGinley the kids were alright
¥23,520
SOLD OUT
“Time誌コラムでは「マクギンリーの写真は、人生のある段階を凍らせた瞬間」と評され、日常的な瞬間でも強烈な意義を持たせています。” Wikipediaでこう書かれていましたが瞬間を凍らすという表現がいいですよね。写真では逆にその氷が溶けそうなぐらい人間の表情が上手く撮れてます。僕は残念ながら写真に詳しくないから「写真の上手い下手てなんだろう」て考えたりもするんですけど、一つ分かるのは僕もモデルをした経験があるからカメラの前で写真の眼差しを忘れて自然でいることの難しさはわかります。どうしても「シャッターのある世界」に自分が入る方が楽なのでそうなってしまうんですけどマクギンリーさんの作品だとシャッターが世界の方に向かっていってるような雰囲気がありますよね。撮る方も撮られる方も「自分らしさ」を出すのって難しい。カメラの前にこの人自身もコミュニケーションが上手いのか、カメラがコミュニケーションなのか撮影現場が気になるアーティストだなと思いました。
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savignac L'Affiche de A à Z
¥3,520
SOLD OUT
「今世の中に溢れてる広告の中に一つでもいいからサヴィニャックが作ったものがあれば僕たちはどう感じるんだろうか」と考えながらページをめくっていきました。今から見たらポスターアートですが、当時から見れば完璧なる広告塔でリアルなCMですからね。僕たちが今の時代に生きるからより一層ストレスなく何か伝える大切さみたいなことの重大さに気づけるはずですよね。サヴィニャックというアーティストはそういう些細な思いやりの中にある感性みたいなところに受信さすことに命かけてたんじゃないかとすら思いますよ。こんなもの大きく見れれば大きく見れるだけ素敵ですから、なるべくポスターサイズに近づけてみんな見たいよね。大判でこの作品は見れるから手に取ってくれた人にもいいひと時になれば良いなと思う。時事的な作品なのに今でも見たい人がいるって、トレンドを扱った情報なのに時代を超えたのは偉業ですよ。
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Book Covers in Wadaland 和田誠 装丁集
¥4,270
「あなたの本棚には何冊ありますか?」ていう帯のコメントがなかなか良いですよね。和田さんのやってきた凄さを1行でまとめたような言葉ですよね。そうなんです。好き嫌い問わずいつのまにか和田さんの絵はみんなの家の中にいるんです。僕もそうでした。なんとなく良いなと思った表紙を手に取ってその内容もすごく面白かった。それが星新一さんでしたね。「星新一さんの人」が僕の最初の和田さんの呼び方でした。それからこれも和田さんあれも和田さんとなっていき、次第に和田誠さんを追っていくようになりましたね。知らぬ間に和田さんを入り口に本をかじるように読んでいった人は日本に少なくはないと思うなぁ。良い表紙があってこそ、みんなが素晴らしい物語に辿り着きますから。日本中各々の出会いが一冊にまとまったような素敵な本ですよ。思い出と和田さんを共に!!
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TEN BULLETS トム・サックス ZINE and Notebook
¥4,230
普通のZINEだと思われたくないので少し補足。YouTubeで「ten bullets tom sachs」と打ち込んでもらえれば話が早いんですけど、その時間を取れない忙しい人に説明するとこの本はトム・サックスが実際に職場/スタジオで使っている社内マナールールブックです。要するに「お前たちこの10個の項目に徹しろよ=TEN BULLETS」なんです。1ページ目が「クリエイティブは敵だ」て書いてますから、「服従しろ」ていう意味なんでしょうけど後に実際トム・サックスが職場の従業員の扱いが悪いことでニュースになってNIKEにも干されてしまうのでどこまで笑って良いのかわからないところも面白いですよね。ブラックユーモアが現実となってさらにブラックな要素を足されて、しかもそれがみんなが買える商品にもなっているというなんとも興味深い流れです。実際YouTubeに出てくる書物がまんまZINEになっています。それとセットになっているのがトム・サックスがデザインしたノートでこのノートの見開きにも弊社に必要な破ってはいけない十箇条がしっかり書いてあるのであとは自分のタスクを書いて世界観を作るだけだよ。ため息つきながらもじわじわ僕たちの世界広いげていこうぜ日本!!頑張る。応援するぜ!!
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アラン・フレッチャー Beware Wet Paint
¥7,140
「英国グラフィックデザインの父」とも言われるほどのグラフィックデザイナーであるアラン・フレッチャーさんの作品集です。もう異名が凄すぎて本人も流石に困ったと思いますよ。どうしても僕なんかはミーハー人間なのでブリティッシュカルチャーと聞いてしまうとパンクだったりファッションマガジンなんかで見られるド派手なデザインを思い浮かべるんですけど、この人は「んんん」とうなってしまう、暖かな優しいデザインとイラストで勝手な偏見との差分をハートフルで埋めてくれますね。僕個人的な意見だとお花が羅列してある作品が好きかな。グラフィックデザイナーだと「本の上でもいいな」「街にこんな絵があったらもっといいな」「こんな世界があったらいいな」「実際見たらもっと素敵だったな」みたいな広がりがあるので広告は素敵だなと感じたりします。人を動かすのが仕事だからなぁ。イギリス国内でさぞ満たされた瞬間があったでしょう。
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David Shrigley Brain Activity
¥7,240
SOLD OUT
デイヴィッド・シュリグリーの初の大きな展示会の時に出版された作品集ですけどデザインがなかなか良いのよね。まずレコードが付いてて、そのデザインも本のデザインも良いよね。中身を見るとアーティストの作業現場がチラホラ見えてね。アーティストのアトリエの写真だけを集めた本ができるぐらいですから、アーティストがどんな環境に身を包んでクリエイトしてるか知るのはだいぶ僕の中では価値が高い。「この人が使ってるなら僕も!!」みたいな感じで勝手にテンション上がります。あと、この人だとドローイングに着目されがちなんですけど、代表作で言うとアウトギリギリの剥製を使って実際の生き物に何かを表現さす立体作品なのでそれが掲載されてるのも非常に素晴らしいと思う。ドローイングだけをひたすら眺めていたい人はまた違う作品集が良いかもしれませんが、あの人の空間や温度を丸ごと感じたい人にはきっととっておきの一冊になると思うよ〜。作ってくれた人に感謝感謝。