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ハン・ガン 涙の箱
¥1,600
SOLD OUT
黒い箱を手に、「涙をお見せします」と言って何度も透明な涙を流すおじいさん。そのパフォーマンスが忘れられず、ハンガンが童話として描いた物語。 読んでいて、首吊りをパフォーマンスにしていたおじさんの事を思い出した。誰でも出入りできるようにして、庭劇場と名付けた自宅の庭の椿の木で首を吊る。20年続けたそのパフォーマンスのせいで体がボロボロになりながら、生と死に向き合い続けて生きていた。 誰かの命懸けのパフォーマンスが、言葉にしてくれる誰かに出会うと美しい別の作品になる。 言葉と誰かの人生の美しい連携を感じられる作品。
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Peter Max Paints America
¥14,870
サイケデリックな作風を世界に広めた巨匠といえばピーター・マックスさんだと勝手に思ってるんですけど、いや、勘違いだったとしてもこの強烈な世界観を確立した先駆者であることは間違い無いと思います。 この作品集では彼がアメリカをテーマにコラージュや絵画やドローイングなど多くの手法を駆使した作品を眺めれます。 この人はTHE•USAのアーティストだなと一目でわかるド派手な色使いなんですけど、この作品集を眺めるとむしろその手法からは離れたシックでシンプルなデザインの絵が多くあってそれでも彼の作品だと一目でわかって違った風合いがあってとっても見ていて心地いいです。 全体を薄ピンクにトーンを変えたようなコラージュもたくさん見れて「これはコラージュだけの作品集もぜひ!」と思ってしまいましたね。
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HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか
¥780
SOLD OUT
もしかしたらこの本を読んだら多くの人は大きなトライをすることを余計に嫌に思うかもしれない。 自分が会社員であったりアルバイトをしていて当然のように口座にお金が入ってくることによりありがたみを感じるかもしれない。 この本は会社を立ち上げて、組織を動かすことの意味を映画ともこれまでの本とも全く違う角度から赤裸々に語っている。 毎日膝をボロボロにしながら進み来月には潰れるかもしれない恐怖感に襲われながらも、家に帰って家族と関係を続けて行かなければいけない地道で孤独な毎日の連続が綴られている。 僕の好きな経営者の1人小澤隆生さんがこの本を勧めていた。多分自分自身に対する懐かしさとこれから未来に挑戦を控える人への挑戦状になる本だと思う。 「それでもなぜ挑戦し続けるのか?」 この問いをずっと頭に描きながら自分の意思を試すことにこの読書体験は価値があると思う。
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村上春樹 一人称単数
¥420
村上春樹さんの短編集を読むと、もうすでに自分の身にも物語になるようなことが起きているのに自分が掴みきれてないような気がするんですよね。 思い出をあるテーマで集めて、それをケーキで上からよく切れる長い包丁を使って8分割したような感覚があるね。 彼の良いところは何か解決を見出すというよりも、いつも思い出に想いを馳せてるところですね。 何かが起きるというよりもずっと氷が溶けるのを待つような間を感じることが素敵だなと思う。 それをむず痒いと思う人もいるんだろうけど、僕はとっても好きかなと思う。 なんでか分からないけど、僕が中学校の頃にとある太った仲の良い子が不登校になってね。 僕は仲良かったんだけど素行が悪かったから先生に僕のせいだと思われて何か質問されたりして、それ以降彼が学校に来る事はなかったんだけど。 時期をあけて成人式。 僕が学校に行くとその子もいて、当時見た時よりも何倍かまた体を大きくしててね。 僕がいるのに気がついて、僕の方へ来て「久しぶりだね」みたいな会話をしたと思う。 その後「俺学校休んだ理由次の日の笑っていいとも!見たかってん」「それだけやねんけど、なんかそれ以降学校いけへんくなってん」て言われてさ。 安心でもなんでもないんだけど、なんてことない「そうなんだ」が出てね。 なぜかそれを思い出したね。
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川上未映子 ヘヴン
¥650
あまりにも簡単に言ってしまうと学校で虐められている主人公と地味な女の子の奇妙な関係。 僕がこれまでの人生で人を虐めたことがないと言えば嘘になる、虐められたことがあると言えばYESと思う。 ただ問題なのは僕は多分一回の虐めを経験で学び20回の虐めを人にしていたと思う。今思うと「そんなことをしているから不幸の方が世の中はるかに多いんだろう」と自分に対して言いたいけど、その時は分からない。 たった一回の経験で絶望を感じてそれから逃げるように同じことを大量にした。 「言葉みたいな自分を惨めに思う出力があるから自分が傷つく空間ができる」 こう言ってはないんだけど、そう勝手に感じるような場面があって、それから僕は「だから植物や生き物に多くの人は優しくできるんだ」ともっと勝手に解釈した。 でも結局のところそんな要素で人に寛大になんてなれないんだろう。それもなんで出た答えかわからないけどそっちの方が明らかに正しいと思える。 「なんで不幸の方が世の中多いんだろう」 僕はまだ76ページ。 僕が思えるのはここまで。
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竹之内教博 無名の男がたった7年で 270億円手に入れた物語
¥500
この本普通にビジネス書というより読み物として結構個人的には面白かったと思う。 僕は自分に納得感を持たすためにまずビジネス書を手に取る時には自分が知ってる人か自分が使ってるサービスを作った人かじゃないと読まない。 僕は大のマッサージ好きで、この著者は「りらくる」というマッサージサービスを作った起業家です。 なんか常々思うのは勝ち続けてる人はアイディアで勝負するより「勝つより負けないこと」をずっと考えてる。 「どうしたら稼げるかより何が売れてるか」 「1番勝ってる人に聞く」 「もうすでに成功してるものを真似る」 「システムに落としこむ」 「売り上げを伸ばすのと経費を減らすしかやることはない」 この循環に徹底してるんですよね。 自分さえ曲げずに堅実にやり続ける。 小さな頃から貧乏だった彼がやり続けることができたのは圧倒的に地味なトライアンドエラーの連続。 それが全てで270億で企業を売るまでに至った。 なんか映画にもドラマにもなりそう。 読む人がもっと増えてもいい本だな。 どのジャンルでも勝負をしたい人にはぜひ!!
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アラン・フレッチャー Beware Wet Paint
¥7,450
「英国グラフィックデザインの父」とも言われるほどのグラフィックデザイナーであるアラン・フレッチャーさんの作品集です。 もう異名が凄すぎて本人も流石に困ったと思いますよ。 どうしても僕なんかはミーハー人間なのでブリティッシュカルチャーと聞いてしまうとパンクだったりファッションマガジンなんかで見られるド派手なデザインを思い浮かべるんですけど、この人は「んんん」とうなってしまう、暖かな優しいデザインとイラストで勝手な偏見との差分をハートフルで埋めてくれますね。 僕個人的な意見だとお花が羅列してある作品が好きかな。 グラフィックデザイナーだと「本の上でもいいな」「街にこんな絵があったらもっといいな」「こんな世界があったらいいな」「実際見たらもっと素敵だったな」みたいな広がりがあるので広告は素敵だなと感じたりします。 人を動かすのが仕事だからなぁ。イギリス国内でさぞ満たされた瞬間があったでしょう。
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花井祐介 ordinary people
¥35,000
SOLD OUT
西海岸を彷彿とさせるカルチャーの良い香りがするとっても素敵な絵を描く花井祐介さんの作品集です。 今の作品とは少し雰囲気が違って、この本の作りといい、題名といい、とてもチルな世界観が最高だなと思います。 なんか彼の作品を見てるとどこか懐かしい日本の古き良き漫画の世界や昭和の名残なんかを感じれる。 僕なんかは昭和を感じれるほど長く生きてないんだけどそう思うってことは彼の絵から出る何かを感じてるんだと思う。 哀愁を感じさせれるのが彼の特異点かもしれませんね。 感じたことない思い出を感じれるという意味では手元に残しておきたい大事な作品集なのは間違いないですね。 元々は働きながら健気に毎日絵を描いていたエピソードなんかを僕はよく聴いていたからいつかお会いしてみたいスペシャルなペインターですよ。
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David Lynch dark splendor
¥21,890
僕が「よく分からないな」と感じたり少し退屈に感じたとしても好きになってしまう魅力と格好良さがある唯一無二のアーティストだと思っているデイヴィッド・リンチさんの作品集ですね。 本当にインディーズ界の帝王というか、今だったらiPhoneとか誰でも持っているような物で昔の映画より遥かにクオリティが高い物が作れたとしても中々これぐらい行ききったアーティストは出てこない。 恐らく出現条件が違うんだろうけど、良くも悪くも面白い作品を真面目に目指してしまった時点で彼のような世界観は現れないような気がしてしまう。 デビュー作の「イレイザーヘッド」も子供ができて金銭面的にも大変な時に夜のバイトをしながら4年かけて作ってますから、その壮大なバイタリティとパッションはどこからくるのか。 そして、その先にできたあの世界観はもう強烈としか言いようがない。 常人にはあれを4年かけて作ろうとするビジョンが浮かばないですよね。んーむ。 そんな彼のキャリアを振り返りつつアート作品が並べられている彼を愛する上では重要な一冊であることは間違いないですね。
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Harmony Korine The Collected Fanzines
¥6,750
SOLD OUT
もはや稲妻レベルというか、もう見るだけでズバズバと自分の感覚に刺さる「これぞZINEだ!!」と思える気持ちよさが本当にある。 なんかこれを全部一冊にまとめたペーパーパック版があるんだけど絶対にこっちをお勧めしたい。 (※ポスターもあるしね!!) 「ハーモニー・コリン×マーク•ゴンザレス」 このニューヨークのカルチャーメイカー2人が作ったZINEのコンプリートセットで誰もが憧れるセンスがダダ漏れだよね。 作品の内容うんぬんかんぬんの前に見ただけで誰か一瞬で分かるクリエイションを持っている人こそが僕からしてクリエイティブにおけるプロフェッショナルなるだと思うの。 ハーモニー・コリンなんてまさにそれで中学の頃に「ガンモ」を見た時なんか訳わからなくてぶっ飛びそうになったと思う。 多分似たような感覚の人が沢山いて彼の作品が面白いかどうかよりも、彼の脳みその中を覗き見したいかどうかの方に遥かにエンタメ性があるよね。 これにも爆速で自転車を漕ぐような楽しさがあるね。
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宇野亜喜良 古い手紙
¥2,240
SOLD OUT
僕の手紙の印象てなんだろう。 98年生まれの僕は手紙を送った記憶はそんなになくて、あったとしても彼女とかにもらったもの。 それだとなんだか「届いた」というより「もらった」という感覚の方が大きくて「手紙が届いた」という感覚はもしかしたら人生で一度も感じたことがないのかもしれないね。 これは宇野さんが手紙を作品として作ったものを集めた作品集。僕はこれを見てこの人からもらったら自分がどう感じるのか考える。 そうしたらスッと過去の恋愛の記憶が戻ってきてもらった手紙の内容を思い出そうとしてみる。 どれも思い出せないんだけど、確実に誰にもらったかは全部覚えてると思う。 それが手紙の力だとしたら「そうなんだろうな」と感じる。
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(初版)和田誠 時間旅行
¥2,960
この本の「和田誠 時間旅行」というタイトルが全てを物語っていてとっても素敵だと思う。 作品集のテーマとしては屋根裏から引っ張ってきたような和田誠さんの作品から、世に名を馳せた後の絵まで色んな絵が載って和田誠さん自身の軸で時間を旅できる。 もう一つの見方として僕が言えるのは、やっぱり和田誠さんはイラストレーターだから、より大衆に今の時代やその人の魅力を伝える事を仕事にしてたよね。 だからやっぱり和田さんの作品を追うことによって、ある意味で彼が見てこれまでやってきた仕事を辿れば僕たちの時代背景も何となくでも分かると思うんだよね。 その継続性と正面から向き合ってきた膨大な作品たちのおかげで日本に素晴らしい絵も本も残せた。 量は必要なんだよ。 どの世界でも本当に。
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西野亮廣 夢と金
¥1,150
SOLD OUT
確かに僕は「はねるのトびら」をずっと見てきた世代だけど、それは別にキングコングのファンだからとかじゃなくてみんな見るぐらいすごい力を持ってた番組だっただけ。 だからこそ、言ってしまえばべつに彼のファンでも何でも無いからこそより学びがある本だと思う。 ここまでタレントで名を知られてるのにも関わらず地に足ついた地味でやれば済むだけの提案を事細かく突き詰めてるのが良心的でもあり、逃げ道を作らない攻めの姿勢でもあるなと思う。 それこそ、まさに挑戦する人を増やしたい彼の意志を感じるね。 どうしてもお笑い芸人だったからタレントから見た人物像にフォーカスされるけど、もしこの人が亡くなった後ビジネスやお金の観点、経済の角度から見てこの人はどう映って、どう語られていくのかがとても気になる素晴らしい人だと思うよ。
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トルーマン・カポーティ 真夏の航海
¥840
カポーティが生前出版しないでほしいと言っていた幻の処女作。 筋は、お金持ちの令嬢グレディが貧しい男の子クライドと恋に落ち、破滅に向かっていくというもの。そのある意味でありきたりな筋を、10代のカポーティが、暑さで白飛びしているような、ぐらぐらと不安定になるような文体で描いている。 主人公グレディ自身も令嬢として決められた運命から逃れたいだけの空虚さを感じていて、クライドも一般的に世の中で魅力的とされるグレディに惹かれるけれど、心の中でいちばん可愛い女の子は自分の妹だと思っている。 何かを真剣に思ったら壊れてしまう怖さから目をそらして、破滅に向かうしかない弱さを、ぐねぐねと描いている文章は、読みやすい部分と読みにくい部分の濃淡が強くて、多分手を入れてしまったらこの時の感覚からかけ離れたものになってしまうから手も付けず、原稿も捨てられずにずっととっておいたってことなのかもしれない。 カポーティの、死ぬまで続いたかもしれない不安定な気持ちを唯一そのまま触ることができるような作品だと思う。
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ピカソ The Marta Picasso Collection
¥5,120
これだけしっかりと分厚く重い本を手に取ってみると「でもこの人の作品を全部集めたらこれがもっと重く天井を超えるほど作品があるのか」と感銘受けますね。 読んでいて思ったのは彼の場合その時のメンタルが絵にダイレクトに現れるじゃないですか。 やっぱりそれが素敵でアーティストたる所以だと思う。 「どんな調子でも同じ形に落ち着く絵はイラスト止まりなんじゃないか」とかそんなこと思った。 彼の言葉で「写真のように本物そっくりに描けるようになった。もう何も学ぶことはない。私は何度も同じものを描くように運命付けられているんだ。死んでしまいたい」と言っていたらしいですが…なんか唸ってしまうセリフだなと思いましたね。 本も人生も何もかも質量は重く量が莫大だな。
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モモ
¥640
SOLD OUT
必然か偶然か人の時間を奪って世の中を支配しようとする組織から世界を救う運命にあるモモ。その少女にあるのは人の話を聞くという小さな才能だけ。人の時間を節約し奪う、それは人間を窮屈にして優しさを奪うディストピア。僕の見方ではこの本には「何が人の人生を豊かにするのか」という問いがあると思ってる。僕が住むのは東京の街。色んな人に自分の時間を粉にして夢を追わせ続ける不思議な街。僕がいる世界が勝手にこのモモの世界に投影されていって他人事のようには感じられなかった。人を人として大切にしようとするモモだけが本当に豊かで、そのピュアなハートが本当に大切な時間を動かしていく。こんな物語なら色んな題名がつけられてもおかしくない。でもタイトルは「モモ」なんですよ。時間を奪うのも使うのもいつも主語であり自分なんです。この先何年もまだまだ読まれ続ける運命にある本だなと思ったな。
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星新一 なりそこない王子
¥300
可愛い和田誠さんのお城の絵が添えられた短編集。やっぱり星新一さんを読んでいたら物語の組み立て方みたいなのが結構一通りわかる気がしましたね。「お笑い芸人になりたかったらまずは落語聞け!!」みたいな要素があると思う。表紙にある「なりそこない王子」なんかは服を変えて王子様を降ろされた主人公が色んな童話の設定を股にかけていくんだけど、それがどれも上手くいかないの。キスして目覚めたお姫様と結婚して幸せだったのにそれが嫌な女でさ。そのお姫様が鏡に忖度されなかったら隣町に戦争仕掛ける。みたいなね。ある物語をどう裏切ってどう着地していくのか分岐していく様が面白いんだよね。名作を逆手にとって裏切りを重ねていく感じがさ。いやー面白いよ。
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Switch 井上雄彦 スラムダンク、あれから10日後
¥510
SOLD OUT
スラムダンクが完結して続編を求める声が多くある中、とある廃校を見つけて「あれから10日後を描く」ことになる。廃校の黒板を使って、それは紙でもキャンバスでもなく、いつかは消さないといけない教室の黒板。4日で描き上げたあと数時間見せ、またその後に元の廃校の姿に戻る。なんて素晴らしい企画なんだろう。その有限性みたいなものに僕はとても心奪われるというか気持ちの良いエモーショナルな感情になるよ。本書は、その企画の意図やプロセスやインタビューが詰まった10日後を少し長く引き延ばすことができそうな内容。今の日本だともしかしたら人が減って消えていくことも多いのかもしれない。それをなるべく素敵な感覚に変えれる人がより現れると良いよね。
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BRUTUS 井上雄彦
¥1,050
実家のオヤジのなんてことない本棚にブッ刺さってるのを見て「かっこいいな」と思いながら深く考えずにペラペラとこの雑誌をめくっていたのを思い出す。「2010年の雑誌なのか」と呟く。この頃から宮本武蔵の最後の戦いと言われてまだ連載も進んでいないバカボンド。そうなるとは思っていなかったか、どうなると思っていたのかもまだ分からない頃の井上さんの言葉の数々。僕の見方だと「漫画を超えた表現をしたい」「だけど漫画である以上そのルールは最低限押さえないといけない」みたいな葛藤がずっとあるんじゃないかって思う。本当は字も何もなく表情だけで、絵だけで伝わるようなとんでもないものをひたすら追い求めていきたいんじゃないかって気がする。もっと上へもっと上へ。常に表現に対する壁を破って。「レースの世界では満足した」と言っていたが…あとは自分の世界なのか。いつでも待ちたい。早く読みたい。
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Barry McGee
¥33,900
バリーマギーさんの作品集なら大体ZINEのようなカルチャー雑誌が多くを占める中、本書だとハードカバーで400ページを超えるので見応えのある作品集だと思う。1980 年代から掘り下げていて、やっぱりストリートアートだとやっている行為そのものがムーブメントだからこそ、その当日書いている最中の写真を大切にしてるのが伝わる。普通に絵を展示するより自分たちのやっていることのアイデンティティを大切にしたいから、より空間や見せ方にも凝っているんだろうなと思う。認められてしまうとそれはストリートで書くことを許されてしまうことで、「それはそれでどこか寂しいのかな?」と感じつつも、ストリートカルチャーという魂を燃やし続けながら製作を続けるカルチャーメイカーだなと感心する。自由を感じる作品たちだね。
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ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
¥1,300
SOLD OUT
例えば自分の憧れの人の本を読んだり、その人の過去の経歴を見た時に「なんて僕は小さいことを積み重ねてるんだろう」と自分が馬鹿らしくなってくることはないだろうか。僕はある。沢山そんな瞬間がある。この本は富士山を見た後に自分の積もらしたチリを見てうんざりしてしまう人に「チリを積もらせることができなければ富士山なんかなりえない」と親切に優しく、そしてロジカルに誰にでも手を差し伸ばしてくれる本。多分1番大切なのは比較じゃなく、徹底的に自分を主語にして小さな挑戦でも良いから何か積んでいくことなんだと思う。それは勇気と継続が必要だから何か他人に励まされても良い。僕は習慣には敏感だから自分をなぞるように読めたかな〜。
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ダンス・ダンス・ダンス
¥800
僕はいつも村上春樹さんの本は洋書を開いてオーディブルを聞いて楽しんでいるんだけど、何故かこの本だけは音声では無いから久しぶりに日本語で読んでみた。何だかそのこれだけが音声として並んでいないことが不思議で物語と関係しているように思えた。鼠と羊男が出てくる話は彼の初期の物語で本作はそれを繋ぎ完結さす作品。過去は自分の中で止まって現実はいつも進んでいく。浄化させたい気持ちを胸に元ある場所に戻っても世界は変わっている。それが何だか寂しい気持ちになるんだけれども踏み出した勇気が物語に変わってまた世界が進み出す。そんな作品だ。
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Ryan McGinley Whistle for the Wind
¥15,120
この人の写真をまじまじと僕は見ていたんだけどね、ずっと見ているとだんだん「裸体は自由と寂しさの象徴なんじゃないのか?」という気がしてきたんだよ。この人の撮る写真は楽しそうなんだけど、この人が撮らなかったら楽しそうじゃない気がとてもする。それはなんでだろうか。才能なんだろうね。もし僕がすごい何でもしていいような空間に放り出されてそこに泉なんかがあれば楽しい気がするよ。でも3時間も経ってしまえばいくら友達がいようとも寂しくなるような気になる。だからこそ一瞬の世界。写真の世界が1番美しく見えるような気がしてならなくなった。この作品集は若くしてニューヨークで成功を収めるカリスマ的存在ライアン・マッギンレーの初期の活動からおよそ10年に生み出した作品をまとめた素敵な作品集だよ。スタイルも技法も変わっていく。どんどん追求していく。そのプロセスをこの本でなぞる。
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PICASSO THE PRINTMAKER
¥4,080
ピカソの版画について考察を施した作品集です。いつも思うのはピカソの絵って通ずるキャラクターがいるわけでもないのに目の奥にまで深く入り込んでくるお洒落さというかキャッチーさというか、そこにいつも僕が惹かれて衝動買いしてしまうんですよね。彼の人生どこを切り取っても一冊の本が出来上がってしまうぐらい多作でね。いや、それはそうですよ。ここまで続ける執着心でも絶対飽きてきますから、そこで違う手法を取り入れて、そして学んで良いところを見つけていくんだろうね。僕みたいな凡人が彼に少しでも追いつこうと思ったらまずは徹底的に飽きてみることなんだろうな。この先もピカソの本は出続けるだろうね。だからこそ良い本を過去から掘り起こしておきたいアーティスト。