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フィリップ・K・ディック アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
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映画「ブレードランナー」の原作で知られる本編ですが本の方がより哲学的に人間の根源に迫る内容だなと思う。改めて小説の素晴らしさは普遍的なものを描こうとも、大きなSFドラマを描こうともお金で差が広がらないところだなと思う。火星から降り立ったアンドロイドを仕留めることを仕事とする主人公。だんだん追い詰めていくにつれてアンドロイドが生命のように見え自分が人間のように思えなくなってくる。結局確かなものは今生きて瞬間的に感じる感覚しかなくて、それ以外のもので価値観をこすり合わせようとすると何か自分が分からなくなる瞬間があるのかな。何者か分からなくなってくることが鬱病に近いのかもしれないね。人間が敵として追うアンドロイドがマイノリティーで、そのアンドロイドを追う人間がアンドロイドに心を通わすことはマイノリティーとも認められない数少ない価値観。それは孤独で先が見えない世界。
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